ドララー
ドララー(Dora(r)er)とはドラゴンを好む人々の総称である。主にファンタジー作品に登場する竜種のキャラクターを愛好する層を指し、日本のサブカルチャーコミュニティの中で生まれた用語である。
語源
ケモナーと同じく、ドラゴン(Dragon)に英語の接尾辞 -er が付随して独立した名詞となっていると考えられる。ただし、語形としてより自然な「ドラグナーまたはドラゴナー(Dragoner)」や「ドラガー(Drager)」と呼ばれることは極めて稀で、代わりに「ドララー(Dora(r)er)」という短縮・変形した形が定着している。
この変形はケモナーという語句との対応関係によって説明できると考えられている。すなわち、「ケモ(獣)+ナー(-ner/-er)」という構造に倣い、「ドラ(ドラゴン)+ラー(-er)」という語形が自然に選ばれたものと推測される。英語圏では「Dragon lover」や「Dragonkin」といった別の表現が用いられることが多く、「ドララー」は主に日本語圏のコミュニティで通用する用語である。
ケモナーから派生したジャンルも参照。
ドララーとケモナー
ドララーという語はもともとケモナーとジャンルを区別化するべく生まれた単語であり、その出発点には「ドラゴンは獣ではない」という認識が存在していた。かつてはこの区別意識が差別的な言動や行き過ぎた対立構造を生むことも少なくなかった。2ch獣の環状掲示板群においてドラゴン専用板が設けられるようになった経緯にも、そうした歴史的背景がうかがえる。
しかし、ケモノおよびドラゴンのキャラクターの多様化が進むにつれ、状況は徐々に変化していった。「ファードラ」や「けもりゅう」と呼ばれるような、獣と竜の特徴を部分的に共有するキャラクター・概念が数多く生まれ、両ジャンルの境界線を一層曖昧にしていった。創作・二次創作の場においても、ケモナー・ドララー双方の層が共存するコミュニティが増加し、互いのジャンルを兼ねて楽しむユーザーが一般的となっていった。
現在ではドララーとケモナーは概ね隣接するジャンルとして見做す傾向が強まっており、コミュニティの参加者においてもいずれかの嗜好を兼ねているか、あるいは互いに融和的である層が多数を占める。その結果、両者の厳密な区別は近年ますます大きな意味をなさなくなりつつある。この流れを物語るように、近年では「ケモドラ」といった包括的な用語が使われる場面も増えている。
ただし、現在でも専門に嗜好するキャラクターの傾向・好みの違いから、自身の立場や趣味の方向性を明示するものとしてこの両者を明確に区別することを望み、混同されることを好まない層も一定数存在する。こうした層にとって「ドララー」というアイデンティティは、単なるジャンル分類を超えた自己表現の意味合いを持つ場合もある。
名称
ドララーはケモナーに比べて呼称そのものが問題視されることは比較的稀である(→#ケモナーとケモノ好きの節も参照)。それでも「ドラゴン好き」という平易な表現や、「ドラグナー」「ドラゴナー」といった代替の名詞がしばしば提示・使用されることがある。
これらの呼称が併存している背景には、「ドララー」という語の成立経緯や発音上の不自然さを指摘する意見があること、また英語由来の語形との整合性を重視するユーザーが一定数いることが挙げられる。いずれの呼称も広く定着しているとは言いがたく、コミュニティや文脈によって使い分けられているのが現状である。